山田鐘人+アベツカサ『葬送のフリーレン』4巻

最近は週刊少年ジャンプの漫画がかなりフォーカスされて「すわ、何度目かのジャンプ全盛期か」という感じなのだが、これは週刊少年サンデーで最も勢いのある作品である。でも全くこれまでのサンデーの「らしさ」を引き継いでおらず、それが嬉しさ半分、寂しさ半分。

いや、こう書くとまるでわたしが本作を否定的に捉えているように誤解してしまうかもしれないが、そんなことは全然ない。この作品自体は非常に面白い。エルフは様々なファンタジーで長命とされており、多くの場合数百年、長ければ一千年近くを美しい姿のまま過ごす。人間とエルフの寿命差をベースとした作品やエピソードは結構あると思う。しかしそれを、「寿命差のあるカップルの悲嘆」という手垢のついた素材以外で「テーマ」にまで昇華させた作品というのはあっただろうか? 唸るしかない。