マキヒロチ『スケッチー』6巻

スケボーをする女性にフィーチャーした群像劇――だったが、この巻で完結。

とても丁寧な描写で、色々と考えさせられることも多かった。好きなことをするという大切なことが描かれていて、けれど好きなことだけで生きていくことは難しいこと、好きなことを続けられないハプニングやサプライズが人生には多いこと、マイナースポーツはどんなに上達してもそれだけで食べていくことは難しいこと、といった現実も描かれている。

そして、たとえ何歳でも、自分なりのゴールやステップを定めて成長していくことや楽しむことはできることも……。

わたしにとって、これは救いで、希望だ。年齢がどうの、才能がどうの、親ガチャがどうの、環境がどうの、遺伝がどうのと自他を縛る言説ばかりがネットには溢れている。しかしわたしたちのやることは変わらない。マクロでは仮にそうだったとしても、ミクロでは与えられたカードで勝負するしかない。重要なことはふたつある。ひとつは、カードを切るか切らないかは本人次第であること。もうひとつは、「成功」ではなく「豊かな人生」を目指すにもカードは切らなくてはならないこと。これすらも、成功バイアスだのマッチョイズムだのと腐す奴らが本当に多い。わたしはそんな奴らが何を言っても気にしない。やれることをやるだけなのだ。