ゆずチリ『忍者シノブさんの純情』全5巻

ゆずチリという漫画家は凄い。

何も考えずに何十回でも読み返せて、その都度ハッピーな気分になれる。

このタイプの漫画家は、今のところ、『からかい上手の高木さん』などを描く山本崇一朗ぐらいしか思いつかない。

ゆずチリの最新作は『姫乃ちゃんに恋はまだ早い』で、これがまた大傑作なのだが、本作も面白い。最初は「ん?」と思ったが、世界観にハマったら一発だ。何も考えずひたすら楽しめる。

幾花にいろ『机ノ上の神話』1巻

机ノ上神話 (まんがタイムコミックス)

机ノ上神話 (まんがタイムコミックス)

エロ漫画で極私的に鮮烈な印象を残した幾花にいろの一般向け作品。

Amazonのレビュースコアが高いなと思ってレビューを読んでいたら、

快楽天やアンスリウムなどいわゆる「エロ系」で独自の路線のエロ漫画の世界を展開し一躍「ときの人」となった「幾花にいろ」先生

とあったので、わたし以外にも凄く人気があるようだ。

本作は4コマ漫画なのだが、どうだろう、4コマ向きの作家じゃないような気がする。

でも面白い。

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『メタモルフォーゼの縁側』など鶴谷香央理作品あれこれ

鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』全5巻

友達のいない女子高生が、BLを通じてお婆さんと友達になっていく話。

趣味が合えば、年齢や立場なんて関係なく友達になれる……というのは幻想だろうか。わたしはそうは思わない。しかしよくある話でもないのだろう。心の中がじんわりとあたたくなった。

鶴谷香央理『レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015』

実は『メタモルフォーゼの縁側』よりも前に手に取った作品。わたしは正直BLがあまり面白いと思えないので、『メタモルフォーゼの縁側』が気になっていたが何年も手に取らなかった。しかし本作が非常にあたたかくて面白かったので、やっと手に取ったのだ。その意味では、導き手のような作品である。

鶴谷香央理『don’t like this』

don’t like this (トーチコミックス)

don’t like this (トーチコミックス)

釣り漫画……なのか?

わたしのように『鶴谷香央理の作品は面白い』とインプットされてしまった人にとっては面白いかもしれないが、地味な作品で、読み手を選ぶかもしれない。

感想を書けていない漫画を100冊まとめて 第15弾

新しく手に取った漫画41冊、以前に手に取った漫画の続き59冊。

支援BIS+新川権兵衛『狼は眠らない』全3巻

いわゆる「なろう系」の漫画。最初は正直ピンと来なかったし、「なろう系にしては」などと色々と理由をつけて読んでいたが、もう慣れてきたな。本作も面白かったのだが、明らかに打ち切りエンドという感じで、ちょっと勿体なさを感じた。

シマ・シンヤ『ロスト・ラッド・ロンドン』1〜2巻

非常に雰囲気のある漫画。タッチやデッサンが必ずしも似ているわけではないのだが、雰囲気があるという意味では、オノ・ナツメ、高浜寛、最近では平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』あたりを思い出した。

おおのこうすけ『極主夫道』6〜7巻

極主夫道 6巻: バンチコミックス

極主夫道 6巻: バンチコミックス

極主夫道 7巻: バンチコミックス

極主夫道 7巻: バンチコミックス

この人の笑いのセンスは本当にツボ。わたしは漫画を読みすぎていて、何がおすすめかと問われてもパッと思い浮かばないのだが、これは推薦したいかな。

殆ど死んでいる『異世界おじさん』5巻

異世界おじさん 5 (MFC)

異世界おじさん 5 (MFC)

これも笑いのセンスが本当にツボ。Amazonで熱狂的とも言えるレビュースコアになっているが、それも頷ける。

福田晋一『その着せ替え人形は恋をする』6巻

この人の絵ほんと巧いな。話ものめり込んでしまう。こんな凄い描き手を最近まで知らなかったなんて。

その他……感想割愛!

七尾ナナキ『異剣戦記ヴェルンディオ』1巻、アルコ+ひねくれ渡『消えた恋人』1〜3巻、雨隠ギド『ゆらゆらQ』1巻、雨隠ギド『おとなりに銀河』1巻、ハナツカシオリ『焼いてるふたり』1巻、上山道郎『悪役令嬢転生おじさん』1巻、縁山『家庭教師なずなさん』1〜3巻、住川恵+甘岸久弥『魔道具師ダリヤはうつむかない』1〜3巻、沢田一『戦国小町苦労譚 農耕戯画』1巻、清水しの『オオカミ部下くんとヒツジ上司さん』1巻、文野紋『呪いと性春 文野紋短編集』、水上悟志『最果てのソルテ』1巻、関谷あさみ『千と万』全3巻、あさのゆきこ『閃光少女』全3巻、しろ『カメラ、はじめてもいいですか?』1巻、namo『クプルムの花嫁』1巻、モリオン航空+藤村緋二『永久×バレット 新湊攻防戦』1巻、匡乃下キヨマサ『カワセミさんの釣りごはん』1巻、真沼靖佳『はじめての諏訪さん』1巻、杉谷庄吾【人間プラモ】『猫村博士の宇宙旅行』、まりむぅ『宝石商の新人』全3巻、小坂俊史『平日休みの堀出さん』、夏海ちょりすけ『瞳ちゃんは人見知り』1巻、コノシロしんこ『うしろの正面カムイさん』1巻

理不尽な孫の手+フジカワユカ『無職転生 異世界行ったら本気だす』5〜14巻、ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』5〜6巻、島本和彦『アオイホノオ』24巻、樋口彰彦『江戸前エルフ』3巻、渡邉ポポ『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』4巻、岩明均+太田モアレ『寄生獣リバーシ』6巻、栗山ミヅキ『保安官エヴァンスの嘘』14巻、大今良時『不滅のあなたへ』14巻、石黒正数『天国大魔境』5巻、カルロ・ゼン+東條チカ『幼女戦記』20巻、信濃川日出雄『山と食欲と私』13巻、諫山創『進撃の巨人』33巻、クラマツテツロウ『ドラフトキング』7巻、柴田ヨクサル『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』7巻、ジョージ朝倉『ダンス・ダンス・ダンスール』19巻、服部昇大『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』5巻、魚豊『チ。―地球の運動について―』2巻、あfろ『ゆるキャン△』11巻、ビリー『シネマこんぷれっくす!』6巻、小林まこと+恵本裕子『JJM 女子柔道部物語』10巻、大久保圭『アルテ』14巻、蛇蔵『天地創造デザイン部』6巻、一智和智『便利屋斎藤さん、異世界に行く』4巻、コトヤマ『よふかしのうた』6巻、noga『フリクションガール』3巻、四方山貴史『終の退魔師 エンダーガイスター』4〜5巻、石塚真一『BLUE GIANT EXPLORER』2巻、山本崇一朗『それでも歩は寄せてくる』6巻、山本崇一朗『からかい上手の高木さん』15巻、山本崇一朗『からかい上手の(元)高木さん』11巻、朱白あおい『神無き世界のカミサマ活動』3巻、池田邦彦『国境のエミーリャ』3巻、九井諒子『ダンジョン飯』10巻、ゆずチリ『姫乃ちゃんに恋はまだ早い』6巻、空えぐみ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』2巻、磯見仁月『傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン』4巻、おいもとじろう『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』4巻、岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士』5巻、小林有吾『アオアシ』23巻、小山宙哉『宇宙兄弟』39巻、錦ソクラ『今日からCITY HUNTER』8巻、小林俊彦『青の島とねこ一匹』4巻、Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』17巻、『異種族レビュアーズコミックアンソロジー』2巻

双見酔『ダンジョンの中のひと』1巻

ファンタジーに親しんだ人なら誰もが一度は考えたことのあるテーマ「ダンジョンとは何か?」に向き合った作品。本作の答えは、ダンジョンは「運営」されている、というものだ。その目的や財源は不明だが、とにかく運営されていると。主人公は訳あってダンジョンの深層を目指しており、かなり強い冒険者になっているのだが、色々あって運営側に回ることになる。

個人的にはけっこう面白く、続きが気になる。出オチなら2巻で完結させてほしいが、面白い展開を準備できるなら今後も読みたい。

麻生羽呂『今際の国のアリス』とその続編やスピンオフ

麻生羽呂『今際の国のアリス』全18巻

ある日突然、誰もいないパラレルワールドのような空間にスリップさせられた主人公を含む数百人程度の人間が、数日に1回行われる死のゲームを乗り越えながら元の世界に戻る(もしくはこの世界で生き続ける)ことを目指す――というアウトラインの作品。脱出ゲーム的というか、バトルロワイヤル的というか。どう呼べば良いかわからないが、個人的には、一定のジャンル化がされている領域の作品だと思う。

なお、元々はNetflixで「ヒロイン可愛いな」と思って動画を観たのが本書を知るきっかけだ。(その辺の話は↓を参照)

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その後、友人が「原作漫画も面白い」というので手に取ったのだが、うん、確かに面白い。絵も巧いし、主人公がグダグダしている中盤も(結果的にかもしれないが)群像劇のような形でわたしとしては飽きずに読み進められたし、動画を見た者にとっても非常に満足度の高い作品である。特に最後のオチというか謎解きというか、「この世界が何なのか?」という問題についての答えは個人的に物凄く得心した。

おすすめ!

麻生羽呂『今際の国のアリス RETRY』全2巻

今際の国のアリス RETRY コミック 全2巻セット

今際の国のアリス RETRY コミック 全2巻セット

  • 作者:麻生羽呂
  • 発売日: 2021/02/18
  • メディア: コミック
上記の原作漫画の続編。もう一度『今際の国のアリス』のワクワク感を得られるかと楽しみに手に取ったが、2巻であっさり完結した。何だこれ。Netflixドラマ化するのに合わせて描かれた宣伝漫画ということなのかな。

麻生羽呂+黒田高祥『今際の路のアリス』全8巻

別の漫画家を準備したスピンオフだが、こちらは続編と違ってしっかり面白い。

読んだ人と、ネタバレしまくって語りたい作品だなー。

野人+小林嵩人『野人転生』3巻

野人転生(3) (電撃コミックスNEXT)

野人転生(3) (電撃コミックスNEXT)

空手をやっていた主人公が異世界転生し、冒険者として生活する話。

と言っても冒険というほどのことはしておらず、近くでモンスターを狩ったり、街の中でトラブル対応していたり。

面白いのだが、何となく説明臭いなあ。

説明臭い漫画といえば、古くは森恒二の『ホーリーランド』、最近ではKAKERUの『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』や『ふかふかダンジョン攻略記』を思い出すのだが、どれも戦闘に関する理論付けになると口が回り始めるのかなって思った。

芝村裕吏+キムラダイスケ『マージナル・オペレーション』14巻

芝村裕吏の同名の原作小説のコミカライズなのだが、本巻で完結。

原作小説は未読だが、原作は全5巻であり、5巻のAmazonの説明を見ると「ミャンマー」という説明書きがあった。おそらく原作を描き切ったのだろう。コミカライズ担当のキムラダイスケには「丁寧なコミカライズありがとう!」と言いたい。

ただ、ストーリー全体としては正直なところ「第一部 完」的な感じがある。少年兵たちは戦争と暴力から解放されていないからだ。よくよく調べると、原作小説はこの後続編として『マージナル・オペレーション改』が始まっており、こっちも既に10巻出ている。こっちもコミカライズすると後20年かかりそうだから、多分それはやらないんだろうな。

まつだこうた+もりちか『あゝ我らがミャオ将軍』4巻

北朝鮮を思わせる極東の独裁国家のトップが9歳の女の子で……という可愛さと毒の共存した漫画も、ついに完結。

涙あり笑いありの非常に面白い漫画だったので完結は残念だが、飽きる手前で綺麗に終わったという思いもある。

次の作品に期待かな。

小畑健+大場つぐみ『DEATH NOTE短編集』

良い作品というのはそれぞれで、何度も何度も手に取ってしまうものもあれば、一度読んだだけで魂に刻み込まれてしまうようなものもある。

本作(正確には本書の元となった『DEATH NOTE』そのもの)は言うまでもなく後者だ。

わたしはおそらく『DEATH NOTE』を通して読んだのはせいぜい2回ぐらいだと思うし、最後に読んだのは5年以上前だと思うが、かなり詳細なところまで目に焼き付いている。今回、本書を読むにあたって『DEATH NOTE』を読み返すか迷ったのだが、読まなくても何の問題もなく本作に入り込むことができた。

しかし小畑健は絵が巧いな。

須賀達郎『ボールパークでつかまえて!』1巻

数ある野球漫画の中でも異色と言えるだろう。スタジアムを舞台としているが、野球の試合そのものや野球選手はほとんど描かれない。ビールの売り子、コミュ障気味の若手サラリーマンの観客、本当は売り子がしたかったのに球場の飲食店で評価されてしまう女性、たまに出てくる野球選手も(スタンドの売り子が気になって試合に集中できない)アメリカに帰りたい助っ人外国人と、基本的にはスタンドにおける悲喜こもごもを描いた漫画である。

そこまで類似点はないのだが、わたしは『高校球児 ザワさん』を何となく思い出した。

葦原大介『ワールドトリガー』23巻

ワールドトリガー 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ワールドトリガー 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:葦原大介
  • 発売日: 2021/02/04
  • メディア: Kindle版
進んでいるような、進んでいないような……なストーリも、ついに先が見えてきた。

安定して面白いんだけど、逆に言うと安定しすぎているような気もする。個人的には、どう考えても主人公たちは遠征に行くわけだから、正直この辺はさっさと進めてほしいかな。作者のスピード感だと、遠征メンバーに選ばれるまでにまた数年はかかりそうな気がする。

幾花にいろ『あんじゅう』1巻

あんじゅう 1 (楽園コミックス)

あんじゅう 1 (楽園コミックス)

幾花にいろの一般向けコミックス。

この手の「一般向け」という表現はわからない人は何のことかサッパリだろうが、これは「エロ漫画を描いてきた人が18禁ではなく全年齢対象向けの作品を描いた」という意味である。

わたしは当然のようにエロ漫画も嗜んでおりますので(おい)、幾花にいろの『幾日』というエロ作品も読んだのだが、わたしは非常に秀逸という印象を持った。美大・芸大出身的なデッサンが非常に取れている絵でありながら主張のある絵だ。「作家性」というのだろうか、そう、作家性のある絵で、これはエロ漫画で収まる器ではないなと思った記憶がある。

なお、補足すると「エロ漫画で収まる器ではない」というのは上とか下とかという話ではないことを強く申し添えておく。エロ漫画というのは一部のレアジャンルを除いて目的が結局のところ「エロ」「抜き」に帰結する。これを界隈では(どこの界隈かは置いといて)「実用性」と呼ぶが、この手の作家性のある絵柄を持っているということは、そういう「エロ」「抜き」ありきの作品だけを描くのでは満足できないのではないかと思ったということだ。

好対照として、例えば、エロ漫画界の(わたしの理解での)トップランナーに師走の翁という作家がいる。もうこの人は「エロ」「抜き」「実用性」ということをトコトン考え抜いていると思う。と言ってもSNSなどを見たわけではない。この人は、とにかく「エロ」「実用性」といったところにとことんこだわっているということを作品やあとがきからわたしが勝手に感じ取ったということだ。少し前の作品だったと思うが、あとがきか何かで「登場する女性全員の女性器の形を変えた」ということをキャラ設定と合わせて解説されているのを読み、心底驚いた記憶がある。そりゃ当然キャラの描き分けはどんな漫画にも共通するが、例えば足の親指と人差し指の長さ、足裏の土踏まずの盛り上がり方、外反母趾や内反小趾の有無や程度、足指の爪の形、爪半月の形や長さ、切り揃えられた爪の形状などをキャラの内面まで掘り下げて全員意識して設定を作り、描き分ける漫画家などいるだろうか? いわゆる足フェチと呼ばれる漫画家でもわたしは皆無だと思う。せいぜい足の太さやライン・足全体に占める膝の位置ぐらいだろう。もちろんエロ作品において女性器は重要なファクターではあるが、そもそもモザイクかかっているわけですよ。靴下に覆われている足の指と同じだ。他のエロ漫画家はせいぜい、いかにモザイクがある中でリアルに女性器を見せるかとか、モザイクもう少し薄く小さくして良いかなとか、モザイクがかかる直接的なアングルでもエロを追求できないかとかせいぜいその程度だろう。それを師走の翁は「モザイクがかかっているから」とパターン化することなく、とことんまで作り込む。その他にも師走の翁の作品は、ストーリー、表情描写、体型描写、行為描写、ギャグ、もう全て「エロ」「実用性」を起点に作られている。まさにエロの職人である。

先ほどの話は、一言でまとめると幾花にいろの作家性はおそらくそういうところ(ジャンル漫画の追求)にはないと思った、ということである。

閑話休題。本作は20代と思われる2人の女性が同居してあーだのこーだのと言いながら暮らしていく様を眺めるというか、そういう話である。相変わらず絵は巧いし、女性は綺麗だったり可愛かったりだし、どこの方言かわからないが言葉遣いにも萌えがあるし、読んでいて素直に面白かった。2巻も当然買うし読むだろう。しかし何だろう、何となく釈然としないのは、この手の設定が何となくテンプレ化している気がするからである。エロを描いてきた漫画家が一般で活動する際の漫画ジャンルの2大ジャンルは「全年齢対象なのにエロい」というエロのギリギリを攻めるパターンか、エロと相性の良いギャグを合体させたエロギャグであろう。典型例がラッキースケベ漫画である。何となく女性の室内での暮らしぶりを眺める的な漫画は、この2大ジャンルほどではないがけっこうよく見かける気がする。まずアキリ『ストレッチ』が思い浮かんだが、他にも真面目に思い出せば2〜3の作品は思い出せそうだ。

どうなんだろう、作家本人が心から楽しんで描いているなら何の文句もないんだけど、編集部主導で手癖で描いてたとしたら、少し可哀想かなと思った。まあこの辺は思い過ごしというか邪推かもね。

うーん、読み返すと何か否定的なニュアンスも感じられたが、まず本作そのものは面白いと思ったのは繰り返し書いておく。既に『机ノ上神話』という一般作品を発売済だったし、他の一般作品も3月には1巻が出るらしいので、これから注目しようと思う。

山口つばさ『ブルーピリオド』9巻

美大・芸大は入るまでがめちゃくちゃ難しいし、入った後も大変だしで、主人公は順調に挫折しているわけだが、9巻はそこまで惑ってない。

体育祭みたいな青春もあって良いんだろう。

10巻で改めてガツンと来るのかな。

武田一義『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』10巻

言葉ではもう「壮絶」としか言いようのない、太平洋戦争でのサバイバルも終焉。

感想が出てこない。ただただ圧倒される。

11巻は主人公の「戦後」を描いて終わるそうだ。

どんな結末になるんだろう……。