魔法少女大好きっ娘が、悪の手先になるという展開。
出オチ感満載の設定だが、百合要素が出てきて見どころも増え、素直に面白い。
しかし11巻ともなると、どうだろう……そろそろ風呂敷を畳むんだろうか。
魔法少女大好きっ娘が、悪の手先になるという展開。
出オチ感満載の設定だが、百合要素が出てきて見どころも増え、素直に面白い。
しかし11巻ともなると、どうだろう……そろそろ風呂敷を畳むんだろうか。
いわゆるなろう系のコミカライズの中では屈指の面白さだと思うんだけど、最近ちょっと動きが鈍いなあ。
もっとバンバン存在進化してほしいんだが、原作もあるし、そうは行かないんだろうな。
突如、世界中の幾つかの地区に「ダンジョン」が生まれ、ダンジョン内は魔物が徘徊し、倒すと超常のアイテムをドロップし、稀にスキルオーブと呼ばれる異能を手に入れられるアイテムもドロップするようになった世界線。国家や軍隊はこぞって世界中のダンジョンに入るようになる。そのような中、ブラック企業で働く研究職の主人公は、これまでダンジョンに潜ったことすらないのに(まあ色々あって)超レアスキル「メイキング」を手に入れる。そこで後輩の女を伴ってブラック企業を退職するとともに、「メイキング」スキルを用いてカネを稼ごうとする――というアウトラインだろうか。
主人公も研究畑、後輩の女も数理分析のプロだということで、ドロップ率の分析、パラメータを割り振る際に全身に何が起きているかを(スキルオーブを売り払ったカネで支払って)高額で全身スキャン、オークションサイトを作ってスキルオーブを競売にかける等、何だろ、合理的というかハック的というか、いずれにせよそういう感じで正面からダンジョンにこもって敵を倒して――という話ではない。
でも、それだけに新鮮味があって面白いかな。
これは期待大。
「顔が豚に似ている」とのことで幼少時から酷いイジメに会ってきた少年が、特別なチートなどが何もない状態で異世界にタイムスリップする。早速死んだかと思いきや、豚顔だったためオークに仲間だと認められ、しかも何故かオークと意思疎通できて、何ならエルフの女性とちょっと良い感じになって束の間の幸せを掴んでいた。しかしその幸せも長くは続かない。実は自分たちをイジメてきたクラスメート34名も異世界転生しており、しかも彼/彼女たちは皆チート能力を身に付けていたのである。その結果、クラスメートたちはあっさりと魔王を倒したが、新たな支配者として君臨していた。そしてちょっとした小遣い稼ぎ、肉便器探しの感覚で主人公を救ってくれたオークの村を半滅させ、良い関係になっていたエルフを犯して殺していたと。それで主人公はオークたちと共に34名のクラスメートを皆殺しにすることを誓う――とまあ、そんな感じのアウトライン。
まあ動機はよくわかる。
けれど、何だろう、残虐描写ばかりが先に立ってあまりカタルシスがない。
誤解されたくないのは、元クラスメートたちに同情しているわけではないのである。このクラスメートたちは、全員が全員よくもまあここまでのクズがひとつのクラスに集まったなというぐらいの圧倒的なゴミクズ集団である。政治家の息子などもいるから標準以上の偏差値の高校だと思うんだけどね。
でも、それとは別に、なーんか「ブッ殺せて良かった!」というカタルシスはない。
何だろうなー。一言で表現すると「描写力」ってことになるんだろうけど。
古着屋の店主として働く主人公が、職場恋愛をしていた彼女に出て行かれてしまう。自分に何か欠けているものがあり、彼女がそれに気づいてほしいと思っていることまでは理解できた……けれど、肝心のその「欠けているもの」が何か、どうしてもわからない。主人公は、過去の恋愛や元彼女のことを思い出し、また元彼女たちに実際に会ってみて、その「欠けているもの」を掴もうとする。
なるほど、なかなか読ませるというか、なかなか残酷というか。
フツーに考えて、過去の終わった恋愛を殊更に持ち出して云々するのはどうかと思う。わたしは安易なジェンダー論は嫌いだが、過去の終わった恋愛を殊更に持ち出して云々するのはするのは男性、しかも性根がアレな男性だけだと一般的には言われている。そして作者もそのことを十分にわかっており、ステレオタイプに表現しているのだろう。主人公は善人だけど鈍くて、愚かで、他責で、それが故に相手を傷つけてきた――その意味ではとても罪深い主人公なのだと思う。しかし主人公はその罪に何の悪意もないわけで、それを描写するというのもなかなかに底意地が悪いというかね。
いやー、巧いなぁ。
驚くほどゴチャついてるなぁ。
先日1巻から106巻まで一気読みしたときには感じなかったんだが、数ヶ月ほど間を置くだけで、もう何が何だか話についていけない。
元々その「ゴチャついてる感」に耐えられなくて60巻ぐらいで一度読むのを止めていたのだが、やはり同じ感想を抱いた。
100巻ぐらいから読み返したら、またついていけるだろうか。
少年ジャンプでは避けられない「唐突なバトル漫画化」がやってまいりました。
いや、正確には唐突ではなく色々と準備がなされていたのだが、やはり個人的には、本作はバトル漫画じゃないんだよな。
それにこのバトルが終わったら完結するんじゃなかろうか。面白いからまだ続けてほしかったのだが。
どうなるんだろう?
危険地域や僻地で食べるブッ飛んだ激ウマ料理を紹介するエッセイ漫画、という体を取った漫画。
「という体」という但し書きをつけているのは、作者が二次元に触れすぎたせいで脳がブッ壊れ、あらゆる人間が等しく二次元の美少女に見えてしまうという謎設定だから。いや、これも本当であるという体で楽しむのが、正しい楽しみ方。
考えろ、感じるんだ。
それだけで死ぬほど面白いから。
テンプレ展開である「追放モノ(無能扱いされてパーティーから追い出されるけど実は主人公が有能という設定)」の逆バージョンなのかな。
最弱でイケメンではない(悪くもないがモブ顔)主人公が、他のギルドメンバーから崇拝に近い愛情を得ているという設定。
逆って何だ?
まあいいや。
出オチ感のかなり強い設定だが、今のところはまあまあ面白い。
今日はネタバレあり。その前提で。
最も泣いた漫画は何だろうか?
いくつかある。しかし、おそらく恵三朗+草水敏『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』ではないかと思う。
もう嗚咽するほど泣いているし、涙が出すぎて目玉がふやけるんじゃないかというぐらいに。
さて本題。
最も "衝撃" を受けた漫画とそのシーンは何だろう?
いくつかある。ひとつには選べない。しかしわたしは真っ先に2つ、いや3つの漫画が思い浮かんだ。
ひとつは三浦建太郎『ベルセルク』である。
12〜13巻で描かれた触の衝撃は凄かったし、今でも最初に読んだときのその衝撃は忘れられない。なぜなら、読み返すたびに強烈な衝撃を受けるからだ。冗談抜きで1,000回は読み返したと思う。三浦建太郎が『ベルセルク』を完結させることなく志半ばで急逝されたときは、本当に悲しかった。わたしは強く思った。物語は既に三浦建太郎だけのものではない。世界中の一人ひとりのファンのものだ。そして登場人物のものだ。どうか誰かがガッツとキャスカを物語の最後の地平まで連れて行ってくれと。ガッツとキャスカを救ってやってくれと……。今、スタジオ我画と森恒二が続きを描いてくれているが、本当に嬉しい。ファンとして絶対に最後まで応援するつもりだ。
もうひとつは――石塚真一『岳』だ。
北アルプスで山岳救助ボランティアとして活動していた島崎三歩が主人公の、山を舞台とした物語だ。山岳救助というテーマのため必ずしも明るく楽しいだけの物語ではなかったが、山の厳しさと雄大さを全面に押し出した作風で、わたしは好んで読んでいた。しかし――ネタバレありと言ったからには話そう。物語の終盤で、二重遭難で亡くなってしまう。登場人物は主人公のいない世界を受け入れて物語が終わる。
わたしは辛い物語やバッドエンドの物語だって随分と読んできた。しかし本作は、そのどれよりも強い衝撃を受けた。主人公がこんな仕打ちを受けて物語が終わって良いのだろうかと、はっきり言って作者に対して怒りも湧いた。先ほども書いたが、漫画の作者は自分の好き勝手に物語を破壊して良いものではない。読者のついた漫画は、既に作者だけのものではない。わたしはそう考えていたし、今もそう考えている。漫画の描き手には、良い作品を作って、作り切って、最後まで走り切る義務――と言うのが強すぎるのであれば、「要請」があると思っている。その要請に、『岳』は応えていないと思った。だからあれほどの衝撃を受けたのだろう。
わたしはあんなに何十回も読んだのに、完結以降、一度も『岳」を読み返したことがない。
衝撃を受けた作品の3つ目を語ろう。それは石塚真一『BLUE GIANT』だ。
ジャズをテーマおよびモチーフとした本作は『BLUE GIANT』『BLUE GIANT SUPREME』『BLUE GIANT EXPLORER』と続いていくのだが、第1シリーズ『BLUE GIANT』のラストは本当に酷い。凄く簡単に書くと、音楽を極めんとしていた雪祈というピアニストが大事故に遭ってピアノが弾けないような大怪我をするのだが、そのことを知りながら主人公は自分が前に進むためにバンドを解散して逃げるように海外に武者修行へと出かけるのである。
ありえない選択だろう。
当時の感想を読んで、その時の怒りのような感情がまた沸き起こってきた。
わたしは『BLUE GIANT』も一度も読み返していない。いや、それどころかわたしは雪祈の一件以降、『BLUE GIANT』だけでなく、その続編である『BLUE GIANT SUPREME』と『BLUE GIANT EXPLORER』も一度たりとて読み返したことはない。巧い漫画家であり、面白い作品であるから、新刊が出れば買う。しかし『BLUE GIANT SUPREME』もわたしにはかなり乱暴な終わりだと思った。石塚真一という漫画家は、ストーリーのためにキャラクターを簡単に切り捨てて行くんだなと、わたしはそれに賛同したくない、そう思っていた。
しかし『BLUE GIANT EXPLORER』の最終巻で、ついに、『BLUE GIANT』で非常にも切り捨てた雪祈と再会するのである。
そして主人公は何も言えず雪祈の前で泣き崩れて、
さらに主人公なりのやり方で、雪祈にエールを送るのだ。
涙が止まらなかった。
救われた気がしたのである。
誰が救われたのか?
一義的には、雪祈というキャラクターであり、主人公だ。
しかし物語全体が救われたとわたしは思う。
そしてわたし自身が救われたのだ。
夢に向かって前のめりで進み続けるというのは、言葉にすると格好良いかもしれない。しかし親友が「文字通り」死ぬほどの大怪我を負ったのに、夢だの何だのと綺麗事で見捨てて切り捨てていくような作品に、ファンとしてもコミットしたくない。しかし物語が巧いから続きは読み続けていた。一度も読み返すことができないのに。わたしはやっと、「BLUE GIANT」を最初から、また『岳』を最初から読み返すことができるだろう。
まあまあ。
幼馴染の男女5名でパーティーを組んで冒険していた転生者の主人公だが、マウントを取りがちな勇者(男の幼馴染)が、他の3人の女の幼馴染を全員寝取ってしまい、主人公を孤独にさせて追放させる。けど事務的なことを主人公が全部やっていたせいで残された勇者御一行は色々と上手く行かずに苦しんでいる。一方、転生者である主人公は、10代半ばで大人と言われ、20代後半でババアと呼ばれる異世界の価値観には合わず、むしろ幼馴染の母親たちの方が性的に興奮するため、自分以外の4人の幼馴染の母親たちと次々にセックスして、4人と重婚して、しかも重婚した4人は全員が元・S級冒険者なので、その4人と主人公でハーレムパーティーを組んで冒険しようと、まあそういう展開。
正確には2巻終了時点で、4人と主人公で重婚する直前まで来た状態。
んー、書いたら意味不明だな。
でもまあタイトルのとおりではある。
以前もどこかで書いたが、なろう系のタイトルって本当につまんないよな。
読んだときに面白いと思っても、感想を書こうとすると途端に萎えることがある。
まあ本作もタイトルのとおりで、無限の魔力というチート能力を得た転生主人公が、その無限の魔力を使って異世界で配信活動をしたら、異世界では配信活動なんて出来るだけの魔力を持っていた人はいなかったわけで、めちゃくちゃウケてファンがたくさんついている、とまあ繰り返すけどタイトルの通りの展開です、ええ。
9巻と10巻はおもくそターニングポイント。
ネタバレになるから書きづらいが、何と「第二部」になるという。
この漫画ほんっと面白いわ。
最近の作品の中では凄く面白い。こうの史代らしい、のほほんとした笑いがある。こういうのをどんどん描いてほしいなあ。昔の作品の続きでも十分。百人一首がどうの、古事記がどうの、鳥獣戯画がどうの、という変にひねった作品はあんまり好みじゃない。
いやまあ鳥獣戯画はけっこう面白かったけど。結果的にね?