日垣隆『サイエンス・サイトーク ウソの科学 騙しの技術』

ラジオ・インターネット・文庫から多角的に情報を提供する「サイエンス・サイトーク」シリーズの2冊目である。『サイエンス・サイトーク 愛は科学で解けるのか』も傑作だったが、本書も傑作中の傑作である。

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このシリーズより科学をわかりやすく面白く書いた本を俺は知らない。滅多に出会うことのできない貴重なシリーズだ。ジャーナリスト日垣隆とTBSの有村美香アナが第一線の研究者を呼び、学生の前で(時には学生の質問を交えながら)対談を行うという形式であるため、読者が置いていかれることも少ないのも素晴らしい。内容は、「ウソ」や「騙し」をテーマに据え、科学の信憑性(あるいは信憑性の無さ)や記憶の曖昧さ・擬態に代表される動物の情報戦略・迷信や予言――とかなり興味深く面白い話が続く。知的好奇心があれば高校生からジジババまで誰でも楽しめると思う。必読。