石井裕之+橋川硬児『強いリーダーはチームの無意識を動かす』

強いリーダーはチームの無意識を動かす

強いリーダーはチームの無意識を動かす

NLPについて知りたくて読んでみた本。文脈的レトリックを駆使して相手に気づかれることなく無意識的に反論を封じてしまう――という潜在意識に訴えかけるテクニックは、かなり興味深かった。
ただ、指を組んで親指が来る側や、肩にカバンを掛ける側が、右側なら「Meタイプ」で左側なら「Weタイプ」などと判断しているあたりは、非常に短絡的で胡散臭く感じた。俺は左利きだから荷物を左手で持つ方が楽であり、従ってカバンも左肩に掛ける方が持ちやすいが、それなら左利きの大半は「Weタイプ」になり、右利きの大半は「Meタイプ」になる。結局は些末なテクニックや決めつけということなのだろうか。
エピローグで「スタッフを本気で愛せばテクニックなんていらない」と書いてあるのも矛盾していると思う。本書は、相手の行動や意識あるいは自分自身を、潜在意識に訴えかけるテクニックで制御する手法を紹介した本であろう。