大羽隆廣+三浦追儺『天空侵犯』1巻

天空侵犯(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

天空侵犯(1) (KCデラックス 週刊少年マガジン)

何の説明もないまま、最初のページから殺戮が始まっている。気がついたら異世界に迷い込んだ制服姿の少女(女子高生ぐらい?)が、仮面を被り武器を持った得体の知れない殺人鬼から逃げつつ、元の世界に戻る方法や、同じく異世界に迷い込んだと思われる兄を探す、というのが基本線のようだ。殺人鬼は複数おり、その異世界は「高層ビルの上層階」と「高層ビルと高層ビルを繋ぐ吊り橋」で構成されており、低層階には降りることができない。その殺人鬼は、異世界に迷い込んだ普通の人々に対して「飛び降り自殺」をさせることが目的のようだが、飛び降りないようなら普通に殺しているようだ。
……とまあ、そういう話である。導入部分で説明不足なのは、いきなり異世界に迷い込んだ主人公と同じ目線で物語を体験させるためと思われ、なかなか良かった(実際に私も「これは結局どういう話になるんだ?」と、クエスチョンマークを抱きながら読み薦めることになった)。ただし、その後尾かなり強引なお色気シーンや、何なんだ的なブラコン(いわゆるお兄ちゃん萌え)を挟みつつ、そのまま強引に新しいキャラクターも登場させながらストーリーを展開させている。勢いはあり、絵も下手ではないが、面白いかどうかは展開が強引すぎてまだ判断できないなあ。