アンドレ・アンドニアン『マッキンゼーが読み解く食と農の未来』

翻訳がですます調で、文体が読みやすい。

「モノからコトへ」というキーワード自体は四半世紀前から言われていることで、何も新しさはない。しかしわたし自身、モノ消費とコト消費についてまともに考えたことは一度もなかったようだ。本書で、チョコレートが単に味を楽しむだけでなく、どこの国で取られたどんなカカオが、どんな香りで、どんなふうに作られているかというストーリーを含めて味わうものに、食の楽しみ方が変化している――というよう記載を読んで、「なるほど、これが”ノ消費からコト消費へ”ということか」と勝手に得心した。

その他、農業や食関連でメガトレンドを知るには、本書は良い選択だと思う。