リクルートでは営業管理表を「ヨミ表」と読んでいるそうで、その内実を露わにした本である。
それだけで一冊にする本なので、どれだけのものかと思って期待していたのだが、良くも悪くも大したものではない。
ただ、複雑に管理すれば良いとか、奇抜な管理の観点だけで上手く行くとか、そういうものではないと知れただけでも目を通して良かった。
リクルートでは営業管理表を「ヨミ表」と読んでいるそうで、その内実を露わにした本である。
それだけで一冊にする本なので、どれだけのものかと思って期待していたのだが、良くも悪くも大したものではない。
ただ、複雑に管理すれば良いとか、奇抜な管理の観点だけで上手く行くとか、そういうものではないと知れただけでも目を通して良かった。
うーん。
まあまあ……なのかな。
いつ、なぜ買ったのかあまり覚えていなかったのだが、いざ読むと、個人的にはほとんど心が揺さぶられなかった。
回りくどくて。
新卒や若手には良いのかもしれない。
巻末のブックガイドで何冊か気になった本があるから、それは買おう。
佐藤優はこれまで自伝的ノンフィクションを10冊近く出している。
その中でも代表作は、本書の「まえがき」で紹介されているように『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』『自壊する帝国』『先生と私』『十五の夏』あたりだろうか。
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ファンとしては『私のマルクス』『甦る怪物 私のマルクス ロシア篇』『同志社大学神学部』『紳士協定 私のイギリス物語』『亡命者の古書店 続・私のイギリス物語』あたりもサイコーに面白い。
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そのうえで、本書は著者曰く「人生の中間報告」に位置づけられる本だそうだ。
というのも、本書は『自壊する帝国』などで決定的に重要な人物として登場する、佐藤優の自伝ファンにはお馴染みのサーシャ(アレクサンドル・ユリエビッチ・カザコフ)との関係が中心に描かれているからだ。
サーシャと佐藤優は(読者の傍目には)単なる友人という枠を超えた深い精神的なつながりを持った信頼関係を構築しているが、1994年5月に「ちょっとした行き違い」から音信が途絶えている(本書で描かれている)。しかし佐藤優はその後、鈴木宗男事件に巻き込まれて懲役刑になり、もちろん外務省も辞め、その後職業作家として活動するという大きな環境変化に遭遇する。そして佐藤優とサーシャは2012年3月に再会するのである。
サーシャは神学や哲学、そして政治に深くコミットした後、一度政治の世界から距離を置いてビジネスに生きようとするのだが(そのせいで1994年5月の「ちょっとした行き違い」が起こる)、その後、ジャーナリストなどを経て、また政治の世界に深くコミットするようになる――親プーチン派として。
したがって本書は、佐藤優の自伝ノンフィクションであるが、ロシア・ウクライナ情勢も巻末の「あとがき」を始めふんわりと臭ってくる。
この辺が耐えられるなら、佐藤優の他の自伝ノンフィクションと同様、めちゃくちゃ面白い。
グリーンベレーとは言わずと知れたアメリカ陸軍特殊部隊だが、味の素には「グリーンベレー」と標榜されたチームがあるらしく、味の素という調味料メーカーが、露天一軒一軒レベルのくっそ泥臭い草の根から世界中のマーケットに入り込んでいくビジネスの実態が克明に書かれている。
徹底して、強靭で、泥臭く、タフな仕事を厭わない。
格好良い。
海外で働くことに憧れる人は多いが、その多くは、キラキラの、ふわふわした何かをイメージしているのだろう。
海外で働くことの実態は、これだ。
海外だろうが日本だろうが、これだ。
わたしはこれが格好良いと思う。
「整理回収機構」という存在を、わたしは何となく知っている。
わたしは1978年生まれで現在45歳だが、わたしより10歳下(35歳)の人間は、もう知らないかもしれない。
25歳だとほぼ知らないだろう。
住専と呼ばれた住宅金融専門会社7社は、バブル崩壊により6兆4,000億円に上る巨額の損失を負い、政府は6,850億円の公的資金投入を決める。しかし、これが世論の強烈な反発を招く。そして自民党・橋本龍太郎政権は「住宅金融債権管理機構」を設立し、住専各社から譲渡された不良債権を、できる限り回収しようとする――と、こういう話なのだが、「バブルの後始末」と書くと簡単なのだが、ここにはとんでもない人と金で動いており、血みどろという言葉ですら言い表せないものがある。土地の値段という、あってないようなものに日本全体が踊らされまくったわけで、本書にも「狂乱の時代」という表現があったが、まさにその通りだと思う。
しかしこれ、WOWOWでドラマ化されてそうだなぁと思ったら、実際ドラマ化されていた。
これ観たいなぁ。本よりドラマの方が合ってる。
清武英利は、WOWOWでドラマ化されそうな題材を探して書くのがめちゃくちゃ巧い。
86というスポーツカーを現代に復活させたエンジニアを主人公としたノンフィクション。
わたしは自動車プロダクトにも自動車産業にも全く何の興味もないが、自動車には3万点以上の部品があり、とんでもない数の人間が、とんでもない情熱を注ぎ込んで作り上げられたものだということは知っているし、そのことに深い畏敬の念を抱いている。人類の発展の歴史を象徴するものだし、これに惹かれる人が多いこともよくわかる。
そしてこの人たちの執念には、大きな影響を受けた。
突き詰めた仕事をしたいよなぁ。
仕事というか、人生なのかも。
金融界隈のビジネス小説の書き手である黒木亮の自伝ノンフィクション。
仕事の大きさにビビってしまう。
これを30代前半でやり遂げたというのだから、なんか、嫌になっちゃうよなぁと。
銀行、証券、総合商社の面目躍如というかね。
阪神の野崎さんと、広島の鈴木さん。
サラリーマンという立場で「球団社長」を努めた2人の物語。
広島生まれ、大阪育ちで広島カープファンのわたしにとっては、めちゃくちゃ面白かった。
90年代から2000年前半にかけての阪神と広島は、そりゃもう良くも悪くも、くっそ特徴的で、魅力的だった。
しかしフロントにはほとんど注目していなかったというか、「この無能が」ぐらいにしか正直思ってなかったかも。
当たり前だけど、色々なことを考え、やっていたのだなぁと。
お二人に感謝。
もう20年近く追いかけている書き手の最新作……なのだが、なんか「薄墨」って感じ。
鈴木貴博のことが気になる方は、以下2冊を読んだ方が面白いと思う。
運の力は重要、という本。
個人的には、昨今の「努力否定論者」にはかなり言いたいこともある。
あと、この本の内容にも若干の違和感がある。これって運なのか? と。
ただ、本書で挙げられた様々な研究結果については、参考になるものも多い。例えば、ノースウェスタン大学の研究では、成功した企業や企業にだけ見られる統計的な特徴が3つ浮かび上がったとのこと。まず、キャリアの初期に失敗を経験した者の方が、後年により大きな成功を手にしていた点。次に、成功した科学者や企業には、最初の失敗から2度目の失敗までのスパンが短い点。最後に、長く成功し続ける科学者と企業は、手痛い失敗を経験した後すぐに原因の分析に取り組んでいた点。著者はこれらを「挫折から立ち直る力」と「失敗を糧にする力」と定義し、この力が高い方が回復力もあって運を引き寄せられるのだと説く。
……それでも、なぁ。
……これって運とか言わなくても良くね?
アンテロープという転職エージェントの人たちが書いており、正直、理想的すぎる描写だと思う。
ただPEファンド界隈を目指したいという方の情報収集としては良いのかもしれない。